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線維芽細胞増殖因子19はマウスの筋を肥大化させて萎縮を保護する [医学一般の話題]

最近、内分泌由来ホルモン線維芽細胞増殖因子 (FGF)19 は代謝疾患を治療するための潜在的な標的として注目されており、代謝器官である筋に対しても、筋線維の拡大を介して骨格筋肥大を引き起こして萎縮から保護すると報告されている。尚、これらの効果はFGF21では誘発されなかった。

in vitro および in vivo において、FGF19 は、細胞外シグナル安定化プロテインキナーゼ 1/2 (ERK1/2)と、リボソームタンパク質S6キナーゼ(S6K1)、および筋細胞成長の mTOR依存性マスターレギュレータのリン酸化を刺激する。

また、β-Klotho (KLB) の骨格筋特異的遺伝的欠乏を有するマウスは、FGF15/19 (refs. 2,3)のための偏性共受容体であり、FGF19 の肥大効果に反応しなかった。

マウスによる実験結果ではあるが、FGF19は、グルココルチコイド治療や肥満による筋萎縮、およびサルコペニア治療の可能性を有している。

Fibroblast growth factorファミリーは線維芽細胞を増殖活性化する因子で、22種類ほどが同定されている。FGF19は195アミノ酸からなる21.8KDaのタンパク質。

出典文献
Fibroblast growth factor 19 regulates skeletal muscle mass and ameliorates muscle wasting in mice.
Bérengère Benoit, Emmanuelle Meugnier, Martina Castelli, Stéphanie Chanon, et al.,
Nature Medicine (2017) doi:10.1038/nm.4363 Received 12 August 2016
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身体活動は認知症リスクに影響を与えないと報告 [医学一般の話題]

認知症の前臨床段階が、身体活動の減少によって特徴付けられると報告されている。

身体活動による認知症の保護効果は短期間の研究では一貫性が認められている。しかし、認知症は長期的な前臨床期間の変化を伴う進行性疾患であり、身体活動の変化も症状に含まれる可能性がある。したがって、通常10年以下の短期間のフォローアップでは因果関係の有無は決定できない。

調査は、ロンドンにおける市民サービス部門の“Whitehall II study”による、平均27年間フォローアップした前向きコホート研究。

参加者は、10, 308名。開始時点の年齢は35~55歳(1985-88)。中等度活発な身体活動は2.5 時間/週以上として分類。

認知テストは1997から2013まで4回実施し、認知症は329名が診断された。

混合効果モデルは、身体活動とその後15年の認知機能低下との関連付けを示さなかった。

同様に、cox 回帰でも、平均27年のフォローアップにおいて身体活動と認知症リスクとの関連付けは示さなかった(hazard ratio in the “recommended” physical activity category 1.00, 95% confidence interval 0.80 to 1.24)。

重要な点は、認知症の人の身体活動は診断前の9年までに減少し始め (中等度活発な身体活動との差は−0.39 時間/週(P=0.05)、診断時点ではさらに顕著に減少した(−1.03 hours/week; P=0.005)。

つまり、身体活動の少なさが認知症発症のリスクなのではなく、認知症の症状として身体活動の減少が起きている可能性が高い。

出典文献
Physical activity, cognitive decline, and risk of dementia: 28 year follow-up of Whitehall II cohort study.
Séverine Sabia, Aline Dugravot, Jean-François Dartigues, et al
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j2709 (Published 22 June 2017)
Cite this as: BMJ 2017;357:j2709

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Ⅰ型コラーゲンのブロックがアストロサイト瘢痕形成を抑制して神経回復を促進する [医学一般の話題]

脊髄損傷後、Ⅰ型コラーゲンは反応性アストロサイトと相互作用し、テグ-n-カドヘリン経路を介してアストロ瘢痕形成を誘発して軸索の再生や機能の回復を阻害する。1型コラーゲンをブロックしてこの相互作用を阻害すると、アストロサイト瘢痕の形成が抑制され、軸索の再生および機能の回復が促進されたと報告されている。

中枢神経の損傷によって、正常なアストロサイトが反応性の瘢痕形成アストロサイトに変化して軸索の再生や機能の回復を阻害する。この反応性アストログリオーシスと呼ばれる表現型の変化は一方向性で不可逆的であると長く考えられてきた。

しかしながら、原 正光・岡田誠司らの研究によって (九州大学大学院医学研究院 整形外科学分野)、中枢神経損傷の治療における新たな方向性が示唆された。

出典文献
Interaction of reactive astrocytes with type I collagen induces astrocytic scar formation through the integrin-N-cadherin pathway after spinal cord injury.
Masamitsu Hara, Kazu Kobayakawa, Yasuyuki Ohkawa, Hiromi Kumamaru, Kazuya Yokota, Takeyuki Saito, Ken Kijima, Shingo Yoshizaki, Katsumi Harimaya, Yasuharu Nakashima, & Seiji Okada
Nature Medicine, DOI: 10.1038/nm.4354

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椎体終板変性分類のModic typeと腰痛との関連について [腰痛関連]

椎体終板変性の分類であるModic typeⅠ~Ⅲの中で、typeⅠは臨床的にactiveな変化と言われており、腰痛との関連が指摘されているが信頼性は不明。

変形性脊椎症の病態として、椎間板変性(髄核変性), 終板変性(椎間骨軟骨症), 骨棘形成が見られ、終板変性はModic typeⅠ~Ⅲに分類されている。typeⅠは骨髄浮腫(線維血管増生)の状態であり、MRIでは、T1強調画像で低信号、T2強調画像では高信号となる。

TypeⅡは脂肪変性(T1強調像高信号, T2等-高信号)、TypeⅢは骨硬化(終末像, T1強調像低信号, T2強調像低信号)で、何れも安定しており症状発現には関与しないと言われている。

固定術によって、脊椎の不安定性が改善されると信号強度が正常化したり、typeⅠからTypeⅡへ変化する。しかし、自然な経過でも、TypeⅠおよびⅢからTypeⅡへ変化したり、逆にⅡからⅠに変化する場合もあるなど、変化が可逆的であることから、症状の原因や手術結果の指標として使用することへの疑問が提起されている(1)。

ModicⅠの変化を有する25名と、正常23名を含む腰椎椎間板ヘルニア患者45名を対象とした、ヘルニア摘出後の腰痛を比較した研究がある。術後12、24ヶ月において、視覚アナログ尺度 (VAS) スコア、日本整形外科学会スコア (JOAS)、ウェスト障害指数 (ODI)によって評価したところ、何れも両群に差は認められなかった(2)。

したがって、腰椎椎間板ヘルニアの症状に終板の変化は直接的には関与しないようだ。

さらに言えば、腰椎椎間板ヘルニア患者において、対象者の半数をmodic変化無しのグループに設定できたことから、ヘルニア患者の中には終板に異常が無い者が少なからず存在することを意味する。したがって、終板骨折が生ずることで髄核が免疫細胞に曝されて自己免疫反応が生じ、この炎症によって髄核が劣化して椎間板ヘルニアが生じるとする発症機序は疑わしくなる。

終板の異常の成因としては、Modic TypeⅠまたはⅡの変化を持つ患者の終板の調査では、正常者と比較して、PGP 9.5-immunoreactive nerve fibers、およびTNF-immunoreactive cellsが有意に多く(P < 0.01)、細胞数はType ⅠがTypeⅡよりも多かった (p < 0.05)ことから、TNFによって誘発された炎症と軸索の成長に関連していることが示唆されている(3)。

私の結論としては、終板に見られるMRI画像の変化と症状を結びつけるための確かな証拠がないため、何とも言えない。

引用文献
(1)
Modic Vertebral Body Changes: The Natural History as Assessed by Consecutive Magnetic Resonance Imaging
Hutton, Michael J., Bayer, Jens H, D, Powell, John M.,
Spine: 15 December 2011 - Volume 36 - Issue 26 - p 2304–2307
doi: 10.1097/BRS.0b013e31821604b6

(2)
Low Back Pain After Lumbar Discectomy in Patients Showing Endplate Modic Type 1 Change
Ohtori. Seiji, Yamashita. Masaomi, Yamauchi. Kazuyo, Inoue. Gen, et. al.,
Spine: 1 June 2010 - Volume 35 - Issue 13 - pp E596-E600
doi: 10.1097/BRS.0b013e3181cd2cb8

(3)
Tumor Necrosis Factor-Immunoreactive Cells and PGP 9.5-Immunoreactive Nerve Fibers in Vertebral Endplates of Patients With Discogenic Low Back Pain and Modic Type 1 or Type 2 Changes on MRI
Ohtori. Seiji, Inoue. Gen, Ito. Toshinori; Koshi. Takana; Ozawa. Tomoyuki, et. al.,
Spine: 20 April 2006 - Volume 31 - Issue 9 - pp 1026-1031
doi: 10.1097/01.brs.0000215027.87102.7c

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腹圧性尿失禁への電気鍼の効果 [鍼灸関連研究報告から]

腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence ;SUI)に対する、電気鍼と偽鍼治療の効果を比較した、中国の12病院で実施された多施設無作為化臨床試験の結果、尿失禁は正鍼群で改善したと報告されている。

参加者は504名の女性(平均年齢55.3歳 [SD8.4] 、調査完了は482名)。 要約中には経穴名は記されていないが、図で見ると、介入群(n = 252)はBL33 (中髎)、BL35(会陽)、偽鍼群 (n = 252)はその20mm外側で皮膚刺激のみ。18セッション (6 週以上)。

主要転帰は、1時間パッドテストによる尿漏れ量。ベースラインから6週後で測定。二次転帰は、72時間膀胱日誌 (72 時間失禁エピソード)で評価 。

ベースラインの平均尿漏れは、正鍼群18.4g、偽鍼群19.1g。平均72時間の尿失禁エピソードは、正鍼群7.9、偽鍼群7.7。

6週後、正鍼群の平均尿漏れは− 9.9 g、偽鍼群は− 2.6 gで、差は7.4 g(95% CI, 4.8 to 10.0; P < .001)。

平均72時間の失禁エピソードは正鍼群でより減少し、その差は1.0エピソードで1~6 (95% CI, 0.2-1.7; P = .01)、2.0エピソードは15 ~18 (95% CI, 1.3-2.7; P < .001)。

ベースラインにおける尿失禁は、パッドテストによる評価では「高度の尿失禁(10.1~50.0g)」。治療後では、正鍼群は8.5gで中等度尿失禁(5.1~10.0g)。一方の偽鍼群では16.5gで高度尿失禁のまま。

両群の効果に差は認められたが、高度尿失禁が中等度に改善したことに生活上の意味があるかは疑問。また、長期的な効果と作用メカニズムの研究が必要。

「腹圧性尿失禁」の場合、主な原因は骨盤底筋の筋力低下。軽度の尿失禁では、骨盤底筋の体操によって外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで改善が期待できる。骨盤底筋訓練などの保存的療法で改善しない場合は、ポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通してサポートする「TVT手術」または「TOT手術」が適応となる。

私の記憶では、「過活動性膀胱」による尿失禁(切迫尿意)に対しては鍼治療は有効だが、鍼刺激で骨盤底筋を強化することはできないはずであり、「腹圧性尿失禁」に効果があるとは考えにくい。本当に有効であるならば、他の原因や別の作用機序を考慮する必要がある。

padテスト:
水分摂取(500ml)後に、60分間決められた動作や運動を実施し、検査前後のパッド重量を計測して尿失禁の重症度を判定する。

出典文献
Effect of Electroacupuncture on Urinary Leakage Among Women With Stress Urinary Incontinence. A Randomized Clinical Trial
Zhishun Liu, Yan Liu, Huanfang Xu, et al.,
JAMA. 2017;317(24):2493-2501. doi:10.1001/jama.2017.7220

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飲酒は少量でも認知症リスクを増加させる [医学一般の話題]

WhitehallII研究の参加者を対象とした30年関の前向き観察研究の結果、アルコール摂取量が多いほど海馬萎縮のリスクが上昇し、脳梁微細構造の違いや言語流暢性の急激な低下とも関連していた(オックスフォード大学;Anya Topiwala氏ら報告)。

アルコール摂取を1単位8gとして摂取なし群(週1未満)と比較すると、週30単位以上のアルコール摂取群が最もリスクが高く、オッズ比[OR]:5.8(95%信頼区間[CI]:1.8~18.6、p≦0.001)で、6倍近い。適度なアルコール摂取群(週14~21単位)でも、右側海馬萎縮のリスクは(OR)3.4(95%CI:1.4~8.1、p=0.007)と、3倍以上上昇した。

また、少量摂取群(週1~7未満単位)の認知機能低下への予防的効果は認められなかった。

大量飲酒は、コルサコフ症候群、認知症、広範囲の脳萎縮と関連する。一方、少量のアルコール摂取は認知機能障害の予防と関連があるとする研究報告もあるが、証拠は不十分で、この研究結果によって否定された。

対象者は、英国の一般公務員を対象としたWhitehall II研究(1985~2015年)に登録され、第11期(2011~12年)の調査に参加した6,306例の中から1,380例を無作為に抽出。この中で、imaging substudyへの参加に同意し、脳MRI検査を実施できる550名(CAGEスクリーニング質問票2点未満の非アルコール依存者、Whitehall II研究開始時の平均年齢43.0±5.4歳)。

試験終了時(2012~15年)に脳MRI検査を実施し、30年にわたって前向きに収集されたアルコール消費に関するデータを用いて1週間のアルコール摂取量と認知機能について解析。

今回の結果は、イギリスにおける最近のアルコール摂取制限を支持しており、アメリカの推奨量に対して異議を唱えるものである。しかし一方、MRI検査時点の認知能力や、意味流暢性または語想起の経年的な変化との関連は確認されていないことや、観察研究であること、アルコール摂取量が自己申告であるなどに研究の限界がある。しかし、アルコールが基本的に毒物である事実に変わりは無く、過剰摂取による社会的損失は世界的な問題であり、WHOはアルコール摂取の削減を喫緊の課題としている。

厚生労働省研究班の推計によれば、日本における、アルコールの過剰摂取による経済的損失は年間4兆1483億円(2008年)に達するとのこと。その内訳は、肝臓病、脳卒中、癌、および外傷の治療費に1兆226億円。 病気や死亡による労働損失と、生産性の低下などの雇用損失の合計は3兆947億円。 自動車事故や犯罪などの社会保障に約283億円。しかし実際は、未推計の間接的影響を考慮すればこの金額よりもさらに高くなる。

出典文献
Moderate alcohol consumption as risk factor for adverse brain outcomes and cognitive decline: longitudinal cohort study.
Anya Topiwala, Charlotte L Allan, Vyara Valkanova, Enikő Zsoldos, et. al.,
BMJ (Clinical research ed.). 2017 Jun 06;357;j2353. doi: 10.1136/bmj.j2353.

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母体の肥満重症度は先天性奇形リスクに関連する [医学一般の話題]

乳児約100万人(1,243,957)を対象にした、スウェーデンにおけるコホート研究で、母体の肥満重症度(BMI)の増加とともに、すべての主要な先天性奇形と臓器特異的奇形のリスクが増加した。

妊娠初期における母胎の正常体重をBMI 18.5 to <25として、過体重BMI 25 to <30, 肥満クラスI :BMI 30 to <35), II :35 to <40, III:≥40 , 正常以下BMI <18.5を比較

合計 43,550名(3.5%)が任意の主要な先天性奇形を有し、最も一般的なサブグループは先天性心欠陥(n = 20, 074; 1.6%)。

過体重:3.5% ;1.05 (95% confidence interval 1.02 to 1.07)
肥満クラスI:3.8% ;1.12 (1.08 to 1.15)
肥満クラスII:4.2% ;1.23 (1.17 to 1.30)
肥満クラスIII:4.7% ;1.37 (1.26 to 1.49)

先天性心奇形のリスク
過体重:1.05 (95% confidence interval 1.01 to 1.08)
肥満クラスⅠ:1.15 (1.09 to 1.20)
肥満クラスⅡ:1.26 (1.16 to 1.37)
肥満クラスⅢ:1.44 (1.27 to 1.63)

肥満重症度に関連する臓器特異的リスク比の増加が最大となったのは、神経系であった。

過体重:1.15 (95% confidence interval 1.00 to 1.31)
肥満クラスⅠ:1.44 (1.20 to 1.73)
肥満クラスⅡ:1.65 (1.23 to 2.21)
肥満クラスⅢ:1.88 (1.20 to 2.94)

肥満クラスⅢでは、神経系の奇形が88%増加した。

性器や消化器系の奇形も、肥満の母親の子供で増加した。

母体の肥満重症度によって、子供の主要な先天性奇形のリスクが増加する。これは、妊娠前においてBMIが正常範囲であることの重要性を意味している。妊娠初期の8週間以内に器官が発生するため、妊娠後の体重減少の予防効果は期待できない。従って、若い女性が受胎前に正常な体重を得ることを奨励するべきである、と述べられている。

出典文献
Risk of major congenital malformations in relation to maternal overweight and obesity severity: cohort study of 1.2 million singletons
Martina Persson, Eduardo Villamor, Björn Pasternak, et. al.,
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j2563 (Published 14 June 2017)
Cite this as: BMJ 2017;357:j2563

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新鮮な農産物が耐性菌の感染源になる可能性 [医学一般の話題]

アメリカでは、年間に、約200万人が抗生物質耐性菌 (antibiotic resistant bacteria ;ARB)に感染しており、そのコストは350億ドル以上におよんでいる。現在、アメリカの農業では、生産中に国内における抗生物質使用量の約80%を使用している。新鮮な農産物は非加熱によって消費されるため殺菌の行程を欠いている。したがって、耐性菌による感染リスクが懸念される。

この研究は、消費者がこれらの食品を消費するときに暴露されるARBの量を推定し、その負荷を定量化することを目的としている。

乳製品のARBは18.3 CFU/gと低く、新鮮な農産物では、オーガニックで1.97 x 10の5乗 CFU/g、従来品は1.48 x 10の6乗 CFU/gで、乳製品の1000~10000倍高い。

また、乳製品は、耐性菌CHL (Acinetobacter)が0 cfu/gで陰性、CEF (Bacillus)2.78 x 10の2乗 cfu/gが最高であった。但し、1つのヨーグルトサンプルで、6.6 x 10の6乗CFU/g のコリスチン耐性菌が検出された。

オーガニックまたは従来の生鮮農産物や乳製品は、サンフェルナンドバレーを通じて地元の食料品店から購入。大腸菌と黄色ブドウ球菌を抑制するために、最小限の抗生物質濃度を定義。

抵抗性を調べた抗生物質は、シプロフロキサシン(ciprofloxacin;CIP), テトラサイクリ(tetracycline ;TET), エリスロマイシン(erythromycin;ERY), クロラムフェニコール(chloramphenicol;CHL),ゲンタマイシン(gentamicin;GEN), アンピシリン(ampicillin;AMP), セフォタキシム(cefotaxime;CEF), コリスチン(colistin;COL)の8種類。

CFU:Colony forming unit

出典文献
Levels of antibiotic-resistant bacteria in ready-to-eat foods.
B. Sanchez, T. Bayangos, K. Rocha, A. Noguera, E. Luna, et al.,
ASM Microbe 2017; Abstract 67.

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温暖化を目の敵にする風潮の愚 [閑話]

トランプ米大統領がパリ協定からの離脱を発表したことについて、山本公一・環境相は2日、閣議後の記者会見で「環境大臣として山本公一個人として大変に失望」、「人類の英知に背を向けた」などと述べた。トランプ大統領の考に興味は無いが、「人類の英知」とは何か。

大学院のゼミで、温暖化対策関連の事業を営む企業に勤めていた学生が、その研究目的を発表した際、「温暖化によって生態系が破壊される、、、。」と発言した。私は、温暖化で生態系が破壊されるなど、あり得ないことだと否定した。温暖化を政治問題化した政治家と、金儲けのネタにする企業にはおいしい話題かもしれないが。温暖な期間は生物にとっては極めて生きやすい時代なのだ。

現在よりも平均気温が10℃ほど高かったペルム紀は、世界中で大森林が繁茂して巨大な昆虫類が闊歩していた、生産性と多様性において豊かな時代であった。また、縄文時代が栄えていたのも現在よりも気温が3℃ほど高かったためであり、気温の低下によって滅びたのである。

300万年位前から、氷期と温暖期がほぼ10万年のサイクルで繰り返されるようになったが、温暖な時期はその中の1割に過ぎない。人類は、現代のような氷期と氷期に挟まれた例外的に温暖な運の良い時代に生きているのである。

最近の数千年では、夏の日射量は極小付近まで低下しているにもかかわらず温度は上昇している。この8000年間の乖離の原因を水田による農耕によるとする説もあるが、正確には不明である。理論上、とっくに氷期に入っているはずなのに、人為的に排出された温室効果ガスによって氷期の到来が先延ばしされているとすれば、それは人類にとっては喜ぶべきことと言える。

通常、温暖期では、気候は安定して暖かいが極めて短期間である。一方、寒冷期においては、気温は不安定で温暖な時期もある。しかし、その期間は長く、過去7回の氷期を見ると次第にその期間は長くなっており、次は10万年ほど続く可能性もある。全球凍結となる大氷河期ともなれば、人類は半数も生き残れないであろう。現在のように、寒暖の差が激しいのは氷期の特徴であり、すでに氷期に入りつつあるように思われる。一度始まれば、わずか数年で氷期となる。今、現在の温暖な気候にむしろ感謝すべきなのだ。

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赤身肉による死亡リスク増加はヘム鉄・硝酸/亜硝酸塩が関与する [栄養の話題]

赤身肉の摂取による健康上のリスク増加は、ヘム鉄・硝酸/亜硝酸塩が関与している。一方、家禽や魚などの白身肉はリスクを低減する。

アメリカの6つの州と2大都市圏における、人口ベースのコホート研究(“dietary data of the NIH-AARP Diet and Health Study食餌のデータと健康調査” )
(しつこいようだが、「diet;ダイエット」とは食餌のことで、痩せるための行為ではない。)

参加者はAARPメンバーの536, 969名(ベースラインで50-71歳)。

赤身肉 (牛肉、子羊、豚肉) および白身肉 (家禽・魚)、ヘム鉄、硝酸塩/亜硝酸塩の全ての摂取量をアンケートに基づいて処理し、カロリー調整摂取量の最低5番目を使用してcox 比例ハザード回帰モデルで推計。主要評価は、フォローアップ期間の全原因死亡率の測定。

赤身肉の最高摂取量対最低5番目とのハザード比1.26(95% confidence interval 1.23 to 1.29)。死亡率の増加は、アルツハイマー病による死亡を除く、9種類の原因による死亡率で観察されたが、慢性肝疾患は特に高かった (hazard ratio 2.30, 1.78 to 2.99)。

白身肉の摂取量の最も高いカテゴリーの人々は最低レベルと比較して、全原因死亡率リスクが25% 減少し、慢性肝疾患ではハザード比0.32(hazard ratio 0.32, 0.24 to 0.42)で、68%減少した。この傾向は未処理の白身肉で特に強かった。

全体的な死亡率リスクは、ヘム鉄の高摂取量で増加し (最高対最低第五のハザード比 1.15;1.13 to 1.17)、原因では、癌およびその他の未知の原因10%、腎臓病34%。

加工肉の硝酸摂取量に関連するリスク増加は、糖尿病のハザード比1.39(hazard ratio 1.39, 1.24 to 1.55)、呼吸器疾患 1.38(1.29 to 1.48)、腎臓病 1.35(1.16 to 1.58)。

加工赤身肉によるヘム鉄と硝酸/亜硝酸塩の摂取量は、ほぼ全ての原因による(アルツハイマー病による死亡を除く)死亡率と独立した関連付けが示唆された。

従来の研究でも、加工肉は、特に冠状動脈性心臓病、脳卒中、および糖尿病のリスクを高めることが示されている。これは、ナトリウム、硝酸塩、および処理された肉の亜硝酸塩の高い含有量に起因している。

ヘム鉄と硝酸/亜硝酸はプロオキシダントであり、酸化ストレスバイオマーカーと脂質過酸化を誘発するため、臓器の酸化的損傷や炎症を促進し、糖尿病、心血管疾患、および癌などに関与する。

また、硝酸塩/亜硝酸塩の代謝はn-ニトロソ化合物の形成に密接に関連している。n-ニトロソ化合物は、発癌、冠状動脈性心臓病やインスリン抵抗性のリスクを高めることが示されている, n-nitrosohemaoglobin と n-nitrosomyoglobin は、ヘモグロビンとミオグロビンと亜硝酸塩の反応の結果として形成される、また、一酸化窒素は、これらのヘムタンパク質と直接反応して n-ニトロソ化合物を形成する。

因みに、野菜には亜硝酸および硝酸塩が多く含まれており、口腔内のバクテリアや胃酸と還元酵素が反応して亜硝酸になり、肉や魚の第2級アミン(ジメチルアミン)と反応して強力な発癌物質であるニトロソアミン類に変化する。このジメチルアミンは加熱によって含有量が増加し、焼きサンマでは17倍にも増加する。ビタミンCはこの反応を抑制するため新鮮な野菜では安全であるが、古ずけの漬け物と焼き魚などを組み合わせて食べると強力な発癌物質が作られることになる。昔、東北地方で胃癌が多かったのは、漬け物の塩分が原因ではなく、ニトロソアミンであると言われている。 

米国農務省による分類では、ミオグロビンのレベルが 65% 以上含まれるものを赤身肉としている。

出典文献
Mortality from different causes associated with meat, heme iron, nitrates, and nitrites in the NIH-AARP Diet and Health Study: population based cohort study
Arash Etemadi, Rashmi Sinha, Mary H Ward, et al.,
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j1957 (Published 09 May 2017)
Cite this as: BMJ 2017;357:j1957

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めまい患者の頚椎椎間板にはルフィニ小体が豊富に存在する [医学一般の話題]

椎間板サンプルの調査によって、めまい患者の頚椎には他の椎間板に比べてルフィニ小体が豊富に分布しており、めまいの病態に重要な役割を示す可能性があると報告されている。

54患者から61サンプルと、コントロールとして、8死体ドナーから40サンプルを採取。
めまいの原因として「頚性めまい」もあるが、要約のみ読んでいるため、めまいの詳しい原因や、コントロールの生前のめまいの既往などは不明。

以前の限られた研究では、正常な頚椎椎間板は固有感覚機能を有していると考えられている。いくつかの臨床研究によって、頚椎症の患者では姿勢制御と主観的なバランス障害が示唆されていた。

また、めまい患者の3つのサンプルにおいてゴルジ小体が見られたが、パチニ小体は全てのサンプルで発見されなかった。

ルフィニ小体(Ruffini corpuscle)は遅順応性機械受容器で、皮膚にかかる圧を感知して指の定位・運動の制御や運動感覚を受容する。持続的な圧力だけでなく、角度などの機械的変化を感知し、遅順応性の温度受容器としても働く。

出典文献
Mechanoreceptors in Diseased Cervical Intervertebral Disc and Vertigo.
Yang, Liang, Yang, Cheng, Pang, Xiaodong, Li, Duanming, et al.,
Spine: 15 April 2017 - Volume 42 - Issue 8 - p 540–546 doi: 10.1097/BRS.0000000000001801

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マンガンの暴露がパーキンソン病にリンクする [環境問題]

パーキンソン病には遺伝性の変異が約8%関与するが、複数の環境要因も関与しており、それらの中でも、殺虫剤、産業煙およびガソリン添加物中のマンガンが明確に関連している。

マンガンは必須微量元素の1つで、スーパーオキシドジスムターゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、アルギナーゼ、グルタミン合成酵素などの構成分子であり、これらの酵素において重要な機能をもっている。しかし、金属元素の血中濃度の許容範囲は極めて狭いため、過剰な暴露によって、マンガン神経毒によるマンガン誘発性神経障害などを引き起こす。

マンガンの吸入による鼻および肺の炎症、腎臓や神経の機能不全(1.2.3.)、および飲料水中の高レベル(> 300 µ g/L)が子供の知的機能の低下に関連付けられている(4.)。

職業性の暴露では、採鉱、鋼鉄製造業および溶接がパーキンソン症候群の高リスクに関連する。他の産業や農業用途では、マンネブまたはマンコゼブのような殺菌剤が農業労働者の環境暴露の危険を高める (5.)。有機化合物では、メチルシクロペンタジエニル、トリカルボニルルテニウム、ガソリン中のオクタンブースターまたはアンチノック剤にマンガンが含まれており、有害な健康影響を引き起こすことが示されている (6.7.)。

マイクログリアの持続的な炎症活性化は、多発性硬化症、脳卒中、アルツハイマー病 (AD)、およびパーキンソン病 (PD)を含む多くの神経変性疾患の進行に関与している(8.9.)。PDの実験モデルでは、マンガンによるマイクログリアのアクティブな表現型への遷移を同定している(10.)。

グリア細胞に神経炎症性障害を起こすためのシグナリング経路があることが示唆され、マンガンは、アストロサイトの活性化のために不可欠であるグリアの炎症性表現型の強力な誘発剤であることが明らかになった。

一次マウスのマイクログリアにおいて、マンガンが100μM以下の容量で、Nos2, Tnf, Il-6, Il-1β, およびcaspase 1.を含むマイクログリアの炎症性遺伝子の発現を誘導するのに十分であった。

さらに、生きた細胞のCFMEA によって測定されたマイクログリアに直接取りこ込まれたマンガン、およびマイクログリアに残留したマンガンのICP-MSによる分析が報告されている。アストロサイトの研究では、両方のトランスフェリン受容体と二価金属トランスポーター-1は、これらの細胞のマンガン取り込みのための推定受容体として作用し(11.12.)し、マイクログリアは、これらの輸送タンパク質の両方を発現することが知られている (13.)。

マイクログリアの NF-κBシグナリングは、アストロサイトの活性化を増幅するケモカインを規制することにより、マンガン毒性における炎症反応に不可欠な役割を果たしている。

マンガンの急性および慢性暴露による神経毒は、マイクログリアによる神経炎症の活性化によって、パーキンソン病などの神経障害を促進すると考えられている。

自動車の排気ガスでは、ガソリン添加剤として使用されているメチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル(MMT)への曝露が問題である。ガソリン中の鉛の有害性は良く知られているが、マンガンの毒性はあまり議論されていない。今後は、主要な幹線道路沿いの住民を対象としたコホート研究が必要と思われる。

また、マンガン鋼の溶接機によって、労働者がパーキンソン病に似た症状を呈することや、農業従事者の、農薬中のマンガンへの暴露による影響も検証する必要がある。

出典文献
Microglia amplify inflammatory activation of astrocytes in manganese neurotoxicity
Kelly S. Kirkley, Katriana A. Popichak, Maryam F. Afzali, Marie E. Legare , Ronald B.
Journal of Neuroinflammation201714:99 DOI: 10.1186/s12974-017-0871-0

Extracellular Dopamine Potentiates Mn-Induced Oxidative Stress, Lifespan Reduction, and Dopaminergic Neurodegeneration in a BLI-3–Dependent Manner in Caenorhabditis elegans
Alexandre Benedetto,
Catherine Au, Daiana Silva Avila, Dejan Milatovic, Michael Aschner
PLOS Published: August 26, 2010 • https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1001084

引用文献
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ニコチンアミドリボシドは雌ラットにおける抗癌剤誘発末梢神経障害を緩和する [医学一般の話題]

ビタミンB3(ナイアシン)とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide ;NAD+)の前駆体であるニコチンアミドリボシド(NR)が、げっ歯類モデルにおいて、抗癌剤のパクリタキセルによる誘発末梢神経障害を減少させたと報告。

パクリタキセルは非小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮体癌、および胃癌などに使用されている抗癌剤。その作用機序は、微小管構造蛋白であるチューブリンの重合を促進して脱重合を抑制し、細胞分裂時の紡錘体の形成を阻害して細胞周期をG2/M期で停止させると言われている。パクリタキセルの末梢神経障害は、主に、微小管への作用による軸索障害が原因と考えられている。

モデルの“Sprague-Dawleyラット”に対し、 パクリタキセル6.6 mg/kgの3静脈注射を5日間実施。NRを、開始7日前より注射後24日間継続して毎日200mg/kgを経口投与した。この用量によって NAD+の血中濃度が50%増加し、パクリタキセルの効果を妨げずに触覚過敏症を減少させた。 経口アセチル-L-カルニチン(acetyl-L-carnitine;ALCAR)100mg/kgの前処置では、パクリタキセル誘発触覚過敏症または回避行動は防止できず、ALCAR自体が触覚過敏を作り出した。

これまでの研究で、ニコチンアミドは、酵素阻害剤と併用すると生体内の腫瘍増殖を抑制する。また、肝臓と乳癌の進行を抑制する。NAD+前駆体ニコチンアミドの毎日1gの経口投与は、新しい非メラノーマ皮膚癌の発生率を 23% 減少させた。

抗癌剤による末梢神経障害は現時点で発現機序が不明であり、臨床試験もエビデンスが不十分で有効な治療法は確立されていない。ビタミンB3の前駆体が有効であれば、患者にとって朗報となる。
 
出典文献
Nicotinamide riboside, a form of vitamin B3 and NAD+ precursor, relieves the nociceptive and aversive dimensions of paclitaxel-induced peripheral neuropathy in female rats.
Hamity, Marta, White, Stephanie, Walder, Roxanne, et al.,
Pain: May 2017 - Volume 158 - Issue 5 - p 962–972 doi: 10.1097/j.pain.0000000000000862

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心臓手術患者の術後高感度トロポニンレベルは30日間の死亡率に関連する [医学一般の話題]

心臓手術を受けた患者の、術後高感度トロポニンT (hsTnT)のピーク値は30日間の死亡率と有意に関連していたと報告されている。

心臓手術を受けて、術後 hsTnT 測定を行った者のコホート研究。参加者は13カ国23センターにおける45歳以上の患者、21, 842名(平均年齢 63.1歳 (SD,10.7), 女性49.1%)。2008年10月に開始し、2013年12月までフォローアップ。患者は手術後6〜12時間と3日間 hsTnTを 測定。40.4% は術前にもhsTnT 測定。

手術後30日以内に266名が死亡(1.2% ; 95% CI ; 1.1% - 1.4%)。

・基準群 (ピーク hsTnT の 5 ng/l) と比較した術後ピーク値別30日間の死亡率

20 ~ 65 ng/l    ;3.0% (123/4049; 95% CI, 2.6%-3.6%)
65 ~ 1000 ng/l 未満 ;9.1% (102/1118; 95% CI, 7.6%-11.0%)
1000 ng/l 以上   ;29.6% (16/54; 95% CI, 19.1%-42.8%)

corresponding adjusted HRsは、それぞれ23.63 (95% CI, 10.32-54.09), 70.34 (95% CI, 30.60-161.71), 227.01 (95% CI, 87.35-589.92)。

hsTnTの5 ng/Lと最高値を比較した、30日死亡リスクの絶対増加の調整ハザード比(adjusted HR)は4.69(95% CI, 3.52-6.25)で、約4.7倍。

術後、虚血性機能を伴わないhsTnTの20 から65 ng/Lの5 ng/L以上の絶対変化、または65 ng/l以上における30日間の死亡率の調整HRは3.20(adjusted HR, 3.20; 95% CI, 2.37-4.32)。
3904名(17.9%; 95% CI, 17.4%-18.4%)の患者が心臓手術後の心筋損傷(MINS)、3633名(93.1%; 95% CI, 92.2%-93.8%)が虚血性の徴候を示さなかった。

出典文献
Association of Postoperative High-Sensitivity Troponin Levels With Myocardial Injury and 30-Day Mortality Among Patients Undergoing Noncardiac Surgery.
Writing Committee for the VISION Study Investigators
JAMA. 2017;317(16):1642-1651. doi:10.1001/jama.2017.4360

トロポニン複合体(トロポニンT,C,I)は、骨格筋と心筋の横紋筋におけるアクチンとミオシンの間でカルシウムを介した筋収縮の調節を行っている。心筋トロポニンT,Iの90%以上は心筋細胞の構造フィラメント上に存在し、心筋障害に際して微量に血中へ流出する。

血中心筋トロポニンの測定系は、骨格筋と交差しない心筋特異的な抗体を用いており、2000年度の欧州心臓病学会/米国心臓病学会(ESC/ACC)において、急性心筋梗塞の診断基準に記載された。

近年開発された高感度トロポニン測定系は低値部分までも正確で、測定値が高いほど予後不良。従来は正常値とされていた数値でも、10年後の予後予測指標であることが判明し、トロポニン測定系は、心筋梗塞から心不全末期までの段階についてのバイオマーカーである可能性が示唆されている。

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膝OAにおけるリンパ管の変化 [医学一般の話題]

変形性関節症 (OA)モデルマウスにおいて、軽度ではリンパ管数と毛細血管の数は有意に増加するが、重度では成熟したリンパ管の数が著しく減少した。OA患者においても、リンパクリアランスの減少と、関節の毛細血管と成熟リンパ管の数が有意に減少していると報告されている(少々古いが;Arthritis Rheumatol. 2014)。

リンパ血管は広く体内組織に分布しており、アンカーフィラメントを介して周囲の間質マトリックスに連続している。余分な血漿は、免疫細胞と一緒にリンパ毛細血管の透過性リンパ内皮細胞の接合部を介して濾過されて間質性空間に排出される。

膝関節への分布は十分には検討されておらず、関節液の恒常性におけるリンパ系の正確な役割は明確ではない。

本研究のOAモデルは、軟骨形質転換成長因子β (tgf β) 型 ii 受容体の遺伝子をノックアウトした、半月靱帯を傷害させたマウスを使用。軟骨の損失と関節破壊の重症度を組織学的に評価。キャピラリーおよび成熟リンパ管を同定し、二重蛍光染色と全体のスライド式デジタルイメージングシステムを使用して分析。近赤外リンパ管像を用いて膝関節のリンパ排液を検討。また、人工膝関節または人工股関節置換術で得られた患者関節標本を評価してマウス所見の妥当性を検証。

滑液は滑膜によって生成されて関節軟骨を養う。OAでは、コラゲナーゼ(collagenases)、マトリックスメタロプロテアーゼ、サイトカイン、ケモカインなどの異化因子が関節中の種々の細胞型によって生成され、滑液中に放出される。これらの成分の有害な影響から、滑液または関節洗浄標本中の濃度はOAの重症度のバイオマーカーとして使用されている。しかし、これらの異化因子がリンパ管を介して関節からクリアされる機構は未解明。

リンパ管は、単に組織液を運搬するのみならず、抗原や免疫細胞を運搬して局所的な炎症や免疫力を調整しており、その機能不全は炎症性疾患や癌などの進行に影響する。しかし、リンパ管の構造や機能は十分には理解されていない。

一方、COPDの肺では、重症度と肺胞リンパ管の増加と、主要末梢肺コンパートメントにおけるリンパ管の表現型の変化が関連している。このように、疾患によってリンパ管の変化に違いが認められる。

本研究では、リンパ管の形成と排水機能がOA関節で障害されていることを示し、病因と治療においてリンパ系のさらなる調査の必要性を提唱している。

出典文献
Distribution and Alteration of Lymphatic Vessels in Knee Joints of Normal and Osteoarthritic Mice.
Jixiang Shi, Qianqian Liang, Michael Zuscik, et al.,
Arthritis Rheumatol. 2014 Mar; 66(3): 657–666. doi: 10.1002/art.38278

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変形性腰椎脊柱管狭窄症とSchmorl結節の関連性 [腰痛関連]

変形性腰椎脊柱管狭窄症(Degenerative lumbar spinal stenosis;DLSS)は、3関節複合体変性症(椎間板および上下のファセット関節)に関連付けられる高齢者の一般的な健康問題。シュモール結節(Schmorl’s nodes;SNs)は垂直ヘルニアであり、エンドプレートの弱体化部分を介して椎間板変性に関連すると考えられている。

この調査では、合計345個体サンプル(control および DLSS)中、202 個体 (58.5%)の腰椎骨 (L1 to S1)に少なくとも1つ以上のSNs が認められた。DLSS 群 (n = 165)では、122個体(73.9%)がSNsを呈し、対照群(n=180)では80個体(44.4%)であった(p < 0.001)。

この研究の結論では、「SNs は DLSS に強く関連している。」と、述べている。しかし、この関連性は椎骨への高負荷に起因する共通性によるものであるとも考えられる。

SNsの存在と腰痛との間の直接的な関係が示唆されており、腰椎椎間板疾患との相関関係が報告されている(1.2.3.)。また、SNsと椎間板変性の重症度の相関性も示唆されている(3)。しかし、SNsは一般的に観察されており、通常は無症状(4.5.)。

SNsの病因は依然として不明であり、その病態によって、腰椎セグメントの不安定性を引き起こす可能性は指摘されているが、明確ではない。

出典文献
In the quest for degenerative lumbar spinal stenosis etiology: the Schmorl’s nodes model
Janan Abbas, Viviane Slon, Dan Stein, Natan Peled, Israel Hershkovitz, Kamal Hamoud.
BMC Musculoskeletal Disorders BMC series – open, inclusive and trusted 201718:164
DOI: 10.1186/s12891-017-1512-6

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喘息患者の吸入ステロイド使用による肺炎リスクの増加 [薬品の問題]

喘息患者における吸入コルチステロイド(inhaled corticosteroid ;ICS)の使用は、肺炎による入院リスクを83%増加させ、1日500 μg 以上の高用量では96%増加した。

対象者は、12から25歳(平均年齢24.2歳、男性34.9%)の喘息患者152,412名。1990から2007までの期間フォロー(平均4.8年)。

最近の ICS使用者と非使用者とを比較した(於ICU)肺炎のリスク比(RR)は1.83(95% CI 1.57-2.14)、超過リスクは2.03/1,000/年(RD 1.44; 95% CI 1.03-1.85)。

低用量使用RR 1.60(95% CI 1.06-2.45)、中等量RR 1.53; 95% CI 1.12-2.08)、高用量RR 1.96; 95% CI 1.64-2.34)。

また、ブデソニド(budesonide)では、RR 2.67(95% CI 2.05-3.49)で約2.7倍、フルチカゾン(fluticasone)は、RR 1.93(95% CI 1.58-2.36)で約2倍。

引用文献
Pneumonia risk in asthma patients using inhaled corticosteroids: a quasi-cohort study.
Qian CJ, et al.
Br J Clin Pharm 2017, April 20; DOI: 10.1111/bcp.13295.

ブデソニド(Budesonide商品名パルミコート)は糖質コルチコイドであり、気管支喘息にステロイドとして用いられる。ステロイド吸入薬の中では最も安全性が高く、妊婦にも用いることができる。
フルチカゾン (fluticasone) は、プロピオン酸フルチカゾンを成分とする吸入剤(商品名フルタイド)であり、気管支拡張剤サルメテロールキシナホ酸塩との配合剤(商品名アドエア)などが販売されている。フルチカゾンは、日本アレルギー学会による喘息予防・管理ガイドライン (2006) では、日常管理薬としてステップ2(軽症持続型喘息)以上の第一選択薬として推奨されている。

喘息の病態は複雑であり、肺炎のリスクが高くても、ステロイドを全く使用しないという訳にはいかない。一方、気管支拡張剤は継続して使用した場合にはさらに有害となる。

尚、吸入コルチコステロイドの使用は、COPD患者の肺炎による入院のリスク因子でもある。

例えば、「Chest」の検索では。
COPD患者で、ICSsユーザー103,386名のコホートにおける調査では、4.9年のフォロー中に14,020 名が重度の肺炎を発症した (incidence rate, 2.8/100/y)。しかし、ICSsの中止によって、37% 減少した(rate ratio [RR], 0.63; 95% CI, 0.60-0.66)。

リスク軽減は、最初の月が20%、中止後4カ月目では50%減少した。

リスク低減は、フルチカゾンの中止で特に大きく、RR 0.58(95% ci, 0.54-0.61) 42%減少し 、ブデソニドでは、RR 0.87(95% ci, 0.78-0.97)。

Discontinuation of Inhaled Corticosteroids in COPD and the Risk Reduction of Pneumonia
Samy Suissa, PhD; Janie Coulombe, MSc; Pierre Ernst, MD
Chest. 2015;148(5):1177-1183. doi:10.1378/chest.15-0627

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抗IL-1薬(Anakinra)は慢性疲労症候群には効果無し [薬品の問題]

慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome ;CFS)の分子メカニズムとして、免疫サイトカインの亢進と炎症性サイトカインによる炎症が関与している。

CFSに対する、炎症性サイトカインのインターロイキン 1 (IL-1)を抑制する、Anakinra(アナキンラ:商品名Kineret)の効果はプラシーボと同等だった。

研究デザインは、無作為化プラシーボ対照試験(オランダの大学病院)。2014年7月から2016年5月まで。対象者は、機能障害を伴う重度の疲労を訴える18〜59歳の女性50名。

介入群 (n = 25)には、皮下に anakinra 100mg/日、4 週間。治療後20週間フォローアップ。

主要転帰は、“Checklist Individual Strength subscale(CIS)- fatigue score”にて評価。二次転帰は、障害のレベル、物理的・社会的機能、心理的苦痛、および4, 24週における痛みの重症度。

CIS疲労スコアが健康な人のレベルに達したのは、anakinra 8% (2 of 25)、プラシーボ20% (5 of 25)。4週間およびフォローアップ中における平均差は 1.5 points (95% CI, −4.1 to 7.2 points)。また、二次転帰にも差は無し。

尚、anakinra群は局所の副作用が68% (17 of 25)に見られ、一方、プラシーボは4% (1 of 25)。.

有意差は無いものの、むしろ劣っていると言える。但し、サンプルサイズが小さいことことや、対象患者が女性のみであることから一般化はできない。

リウマチ炎症の2大要因である、TNFに対するエンブレル、インフリキシマと、IL-1に対するAnakinra(商品名Kineret)は、これまでの抗リウマチ薬以上の効果を挙げている。しかし、CFSに対しては有効ではなかった。

CFS患者の脳では、複数の部位に神経炎症が認められている。さらに、前帯状回や前頭前野のアセチルカルニチン代謝の低下や、前帯状回のセラトニントランスポーターの密度低下、モノアミン神経系の変化、およびグルコース取り込みの低下などが起きている。また、前頭葉が萎縮しており、体積の減少と疲労重症度は有意に相関している。

自律神経機能では、心拍変動解析や指尖加速度脈波の周波数解析によって、副交感神経機能低下と交感神経優位が判明している。心拍変動解析では、低周波成分と高周波成分の比(LF/HF)を年齢・性別のデータベースと比較して判定に使用されている。

「抗疲労・癒やしビジネス市場」は、2020年度には、国内だけでも年間12兆円になると予測されている。しかし、疲労は複雑で難しい病態であり、「疲労感」を緩和することと、「疲労本体」を回復させることは別の問題である。

例えば、カフェインは、一時的に脳を興奮させるだけで疲労本体には悪影響をおよぼす。同様に、にんにくや朝鮮人参なども興奮させるものである。これらは、軽い疲労感に対しては多少効果的とも言えるが、、。

鍼治療においても、漠然と疲労のみを訴える者や、逆に、重度の疲労を訴える患者については、その病態の判断も治療も難しい。

Cytokine Inhibition in Patients With Chronic Fatigue Syndrome: A Randomized Trial
Megan E. Roerink, Sebastian J.H. Bredie, Michael Heijnen; Charles A. Dinarello, et al.,
Ann Intern Med. 2017;166(8):557-564. DOI: 10.7326/M16-2391

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アルツハイマー病の保護因子とは [医学一般の話題]

アミロイドおよびアルツハイマー病(AD)の神経変性に影響を与える因子と保護因子は異なっている。

何故、アルツハイマー病に成る人と成らない人がいるのか。

メイヨークリニックにおける、70から90歳(平均年齢80歳、女性45%)の942名を対象にした、MRIおよびPittsburgh compound B-PETスキャンによる前向き調査。

人口動態、 ApoE、知的集積度、中年期および後期における危険因子 (身体的非活動性、肥満、喫煙、糖尿病、高血圧、および脂質)、心臓と代謝条件などの予測因子について評価し、多変量線形回帰モデルを用いてアミロイドおよびADパターン神経の保護因子を同定。

85歳以上のコホートのサブサンプルを使用し、Cohen d–based 効果サイズによって、非ADの老化に貢献する予測変数の量的強度を推定。

高年齢、女性、およびApoEのような既知の危険因子は別として、唯一、中年期の脂質はアミロイド沈着に関連付けられていた。また、中年期の肥満、喫煙、糖尿病、高血圧、および心臓と代謝の状態は神経変性に関係していた。

中年期の脂質とアミロイド沈着との関連付けは、他の研究と一致している。本研究では、コレステロールがアミロイドを介してアルツハイマー病の病因に重要な役割を果たしていることを示唆している。

教養の程度は、アミロイド沈着や神経変性の有意な予測とはならなかった。

85歳以上のコホートにおける“Cohen d”による推定では、非ADの老化を予測するには、仕事スコアと中年期高血圧を除く、いくつかの変数に弱~中程度の効果 (効果サイズ > 0.2) が認められた。

特に、明確な保護因子を突き止めた訳ではない。

出典文献
Evaluation of Amyloid Protective Factors and Alzheimer Disease Neurodegeneration Protective Factors in Elderly Individuals
Prashanthi Vemuri, David S. Knopman, Timothy G. Lesnick, et al.,
JAMA Neurol. Published online April 17, 2017. doi:10.1001/jamaneurol.2017.0244
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オピオイドと抗うつ薬を使用する膝OA患者は転倒リスクが高い [医学一般の話題]

オピオイドを使用した変形性膝関節症(膝OA)患者は、これらの鎮痛剤を服用していない者と比較して転倒リスクが22%高くなったと報告されている(adjusted RR 1.22, 95% CI 1.04-1.45, P=0.02)。

また、抗うつ剤を使用している膝OA患者は、2回以上転倒する確率が25% 高い(adjusted RR 1.25, 95% CI 1.10-1.41, P<0.0001)。

一般的に、オピオイドと抗うつ薬が高齢者の転倒リスクを高めることが示唆されており、特に新しい知見という程の報告ではないが。

変形性関節症イニシアティブ( the Osteoarthritis Initiative ;OAI)に基づくコホート研究による縦方向の分析。フォローアップは4年間。参加者は、ベースラインで45〜79歳の4231名。

患者を、(1) オピオイド、(2) 抗うつ剤、(3) その他の処方鎮痛薬、(4) 市販鎮痛薬、(5) 栄養、(6) 鎮痛剤を非使用の、階層的な順序で6つにグループ化し、毎年評価。

robust エラー分散による多修飾ポアソン回帰モデルを使用して, 次年度の再発性転倒 (≥ 2) リスクに対する鎮痛効果の影響を、人口動態、健康状態、行動要因について調整後推定。

オピオイドの使用は、ベースラインから36ヶ月までに2.7% から3.6%へと増加したが、他の処方鎮痛剤はこの期間中に16.7% から 11.9% に減少した。

尚、80%以上の患者が他の鎮痛剤ないしは栄養剤を使用していた(NSAIDs、コンドロイチングルコサミン、メチルサルフォニルメタン、ないしはs-アデノシルメチオニンなど)。

出典文献
Analgesic use and risk of recurrent falls in participants with or at risk of knee osteoarthritis: data from the Osteoarthritis Initiative.
W.-H. Lo-Ciganic, L. Floden, J.K. Lee, et al.,
Osteoarthritis and Cartilage 2017; doi: 10.1016/j.joca.2017.03.017.

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